はじめに
寝具と言うものは医療機関のみならず日常生活においても必要不可欠なものである。しかし、その寝具の素材には多くのバリエーションが提案されているにもかかわらずそのデザインは画一的であり、機能性という面では全くないといっても過言ではない。
そのような立場から布団のデザインを見直す事で、現在の医療における問題点の解決の一助になれないかと考えた。
今回我々は二つの事に注目した。
一つは医療機関で頻繁に行われる前腕軟部組織への末梢点滴時の問題である。全身を寝具で覆いたい患者側と点滴部位を直視下で観察したい医療側の矛盾する要求である。
そしてもう一つは鞭打ち後や肩こり等の筋肉の持続的緊張から来る慢性痛、痺れなどのさまざまな不定愁訴に対する頚部、肩部の保温による症状改善の可能性である。
この二つの点を考慮し掛け布団のデザインの変更を行い、その効果についてサーモグラフィーで検討してみた。
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